2009年の作品。
邦題は「ウルトラI Love You」。
図書館から借りてきて観ました。
同じ年の作品"The Blind Side"(邦題「しあわせの隠れ場所」)で、サンドラブロックがアカデミー主演女優賞を受賞した傍らで、この作品では最低女優賞・最低スクリーンカップル賞を受賞したので、「いったいどんな作品なんだろう?」と興味はあったものの、まだ見たことがありませんでした。
クロスワードパズルのコンストラクター(作家?)のメアリー(サンドラ・ブロック)は、かなり変わったパーソナリティーの持ち主。
※成人しているのに親の家に住んでいるし、いつも同じ赤いブーツを穿いている。
驚くほどの博識だけれど、会話は一方的に喋りまくるのみで、相手と会話のキャッチボールが出来ない。
おかげで、生まれてこのかたずっと夫も彼氏もいない。
デートしたことすらない。
クロスワードを投稿している新聞社のボスにも「デートをしたりして、ノーマル(普通)になったら?」とすすめられる。
(※成人しているのに親の家に住んでいる:アメリカでは18歳が成人&独立の目安。
たとえ未婚の学生で家から通える学校に通っていたとしても、寮やアパートを借りて住むのが一般的。
ましてや社会人になってまで親の家に住むのはかなり珍しい。
結婚してまで親と完全同居する日本人男性は、アメリカでは異常者扱い間違いなし。)
ある日親が設定したブラインドデート(お見合い)で会った、報道カメラマンのスティーブ(ブラットレイ・クーパー)に一目惚れ。
スティーブの反応などお構いなしに、押せ押せで迫って数分でスティーブは「急な仕事が入ってしまった。キミも連れて行けたらいいけれど、キミには仕事があるから無理。また今度…」等と言って逃げてしまう。
メアリーはスティーブのことを考えるあまり、All about Steve(スティーブの全て)と言うクロスワードを作って投稿し、新聞の読者から苦情が来て仕事を首になってしまう。
「仕事がなくなったから、スティーブの側にいれる(スティーブも来て欲しいって言ってたし…)」
と、全国を取材で飛び回るスティーブの追いかけ(スティーブにしてみればストーカー)を始めることに…
スティーブに振り向いて欲しくて必死なメアリーと、それをひたすら避けるスティーブと言う設定で、普通のラブコメの様にカップルが出来てハッピーエンディングにならない作品でした。
この映画を観て
「なるほど、最悪女優賞受賞。最低作品・脚本賞にノーミネートされるだけあるわ」
と、思うほど一般受けしなさそうな内容だった。
評論家には
「奇妙で寒気のする、酷い作品」
とまで酷評されてしまう。
私個人的には、「歩く百科事典と言われるほど博識」「相手の反応などお構いなしに一方的に喋り続けて周りのみんなに嫌がられてしまう」「社交辞令と本音の区別がつかない」「言葉以外の雰囲気が読めない」「赤いブーツに拘りがある」など、発達障害っぽいメアリーのパーソナリティーを上手く表現できているなと思った。
作品の中ではメアリーは自分の知識や考えを(独白も含めて)喋り捲る台詞が沢山あって、
「サンドラ・ブロックは台詞を覚えるのが大変だっただろうな」
「あんなに複雑な長い台詞を早口で喋る努力をしたのに、最低女優賞じゃ可哀想だな」
と、気の毒になった。
最後の方でスティーブが、
「誰のためにもノーマルになろうとしないで(ノーマルかどうかを気にするな)」
と、メアリーに話すシーンはクライマックスと言えば言えなくないけれども、発達障害の文化を知らない人にとっては、ただの台詞の1つとしてサラッと聞き流されてしまうだろうなと思った。
メアリーの特徴のクダリを読んでいて「あ゛コレ私に似てるf^_^;」と他人の気がしなかった( ̄∀ ̄)
返信削除積極的にドンドンいく前向きなメアリーは可愛い…と思いました。
確かに一歩間違えたら犯罪っぽいケド、無垢な純粋さが魅力的o(^-^)o
最後の「誰のためにもノーマルにならないで」の意味が全く分からなくて悩んでるトコロですf^_^;
ありのままでいい…ノーマルになろうとするだけ無駄…etc…
妄想が渦巻いてマスf^_^;
投稿: 2011年11月 6日 (日) 22時16分
>梓さん
削除>「誰のためにもノーマルにならないで」の意味が全く分からなくて…
映画を観るとわかるのだけれど、ネタバレになっちゃうんで詳しくは書かなかったので、わかりにくいですよね。
「ありのままでいい」が近い感じかも…
投稿: 2011年11月 7日 (月) 22時36分