"Casino Jack"は、2010年の作品。
2006年のジャック・エイブラモフのスキャンダルを題材にした政治風刺映画。
邦題は「ロビイストの陰謀」で、2012年9月29日から劇場公開。
ジャック・エイブラモフ(ケビン・スペイシー)はハーバード大卒の有名な共和党のロビイスト。
議会やブッシュ大統領にも顔が利き、自分のビジネスや私腹を肥やすために、ロビイストと言う立場を利用して相棒のマイケル・スキャンロン(バリー・ペッパー)と共に詐欺や脱税などの陰謀をめぐらす。
(←ジャック・エイブラモフ役のケビン・スペイシー)
映画ではジャックの不正や陰謀の様子やそれが明るみにでて、逮捕、公聴会、その後(刑務所などでの様子)が描かれている。
レートはR。
バイオレンスシーンは少ないのだけれど(殺人シーンは1つだけ)、Fワードが多すぎてRになったのではないかと思う。
この映画は、まずロビイストがどういう職業なのかを知らないとわかりにくい映画かなと思った。
さらに、ジャック・エイブラモフのインディアン・ロビーイング事件について知っていると、映画の内容が面白くなるかもしれないと思った。
大学の教養でアメリカン・ガバメントのクラスを取っている時に、ロビー活動について読んだんだけれど、ロビイスト(ロビー活動家)の仕事って、合法的な言葉では政治献金の仲立ち、一歩間違えば贈収賄の仲立ちをして、報酬を貰う職業だと思った。
個人や団体からお金を受け取り、議員や官僚に(選挙での票の取りまとめや政治献金などの見返りに)その個人や団体に有利になるように議会などで発言してもらうように根回しする。
ロビー活動自体が合法と違法の境目で仕事をしているようなものだから、ちょっと間違えば違法の側に転びやすい。
映画でジャックがしていることは、現実の世界ではほとんどのロビイストが多かれ少なかれやっているのではないかと思う。
アメリカの議会はロビー活動で成り立っていると言っても過言ではない。
アメリカの医療制度が多くの問題を抱えながらも、なかなか解決しないのは、保険会社や医療メーカーや薬品メーカーなど現行の医療制度で儲けている団体がロビー活動をして現状を維持しようとしているから。
私は政治音痴なのでよくわからないけれど、国際紛争に首を突っ込むのが好きなアメリカが、
「アメリカはどちらの立場にもたたない」
と、 法的にも正当性の高いと思われる日本の支持に逃げ腰なのは、
(今年は選挙の年ということもあるけれど、)
おそらく竹島問題や従軍慰安婦問題や尖閣問題も、日本が不利になるようにロビー活動をしているからではないかと思う。
(ヒラリー・クリントンがクリントン政権時代に中国から多額の献金を受け取っていた話は有名だし。
この間ヒラリーが尖閣問題で「アメリカはどちらの見方もしない」と発言したので、中国が「金払ったのに中立はゆるせん!!」と怒ったという噂。)
アメリカが動けば世界が動く現状では、日本も国際法に訴えるなどの表からの正攻法(それもやっているかどうか疑わしいけれど)だけではなく、ロビー活動を利用して裏から日本の主張をサポートしないと、国際社会での発言力は弱いままだと思う。
yuukiさん
返信削除お久しぶりです( ̄∀ ̄)
リア生活がかなりヘヴィな梓です。
この映画 物凄く興味深いです。
私はアメリカ合衆国に行った事はなく、その歴史や政治にも疎い人間なのですが、ロビィストの存在は約15年間に偶然知りました。
ロビィ活動は 日本の政財界では殆ど闇の世界で行われ 明るみになると「秘書」がペナルティを被る構造になっている…のかもしれない、と私は想像します。
アメリカの政財界を動かしているエリート達の丁々発止の様子を 是非観たいです。
投稿: 2012年10月 4日 (木) 14時57分
>梓さん
削除お久しぶりです~
この映画、全国一斉公開ではなくて、今のところ大阪と東京だけでしか公開されてません。
DVDになるのを待ってレンタルしたほうがいいかも…
投稿: 2012年10月 5日 (金) 00時27分