この間、夫の勤めている会社で、(ボーナスや来年度の給料を決めるデータを集めるため、)今年1年の自分や同僚に対する評価のリサーチがあった。
夫は約1年前に転職して、現在の会社に入ったので、評価をするのは初めて。
(以前の会社は、お互いに評価する仕組みがなく、上司の一方的な評価で給料が決められていた。)
評価の提出の締め切りの日に夫は休暇を取っていたので、会社の従業員サイトにアクセスして、家で評価のフォームを埋める作業をしていた。
私がパソコンを使っている横で作業していたので、
「○○は頑張ったけど思ったほど結果がでなかったから、5段階評価の3かな?」
「△はかなり結果も出ているから、4かな?」
とか、ブツブツ言いながら評価しているのが聞こえてしまう。
傍で聞いていると、どの項目も良くて4、ほとんどが3、2が少し、という評価をしている。
いかにも謙譲が美徳の日本人らしい評価の仕方をしているので、
「どの項目も1つずつ評価を上げて、最低の評価が3になるように入力したほうが良いよ。」
「『これは頑張った。』と思うものは、結果如何(いかん)に関わらず、最高評価をつけるべき。」
と、つい口を挟んでしまった。
口を挟まずにいられなかった理由は、私はアメリカの大学である教養のクラスを取っていた時に、自己評価で日米の違いを思い知ったからである。
私のとっていたクラスでは、宿題を提出する時に、その課題に対しての自己評価とその理由も書いて提出するように指示されていた。
最初の宿題を提出した時、私も日本人の多分に漏れず控えめな自己評価で、80%と書いて理由も添えて提出した。
隣に座っていたクラスメイトは、授業の始まる前の休み時間に周りの生徒に助けてもらいながら慌てて宿題を仕上げて、評価を99%、理由は「頑張ったから」と書いて提出していた。
私はその時、クラスメイトの図々しいまでに高い自己評価に驚いたけれど、その宿題が返ってきてもっとびっくりした。
自己評価に書いた点数が、そのまま宿題の評価になっていたからである。
つまり、
私→自力で宿題をして、自己評価が80%だったので80点
クラスメイト→ほぼ他人の宿題を写して、自己評価が99%だったので99点
だった。
げ~┛)"0"(┗ ウソだろ~
と、日本人頭の私はショックを受けたが、
周りのアメリカ人は(自力で宿題をやった人も)みんな、自己評価に高い点数をつけていて、100点がゴロゴロいた。
「自己評価」は日本人の感覚だと、「自己反省」とほぼ同義語だと思う。
自己評価が高いのは「高慢だ」と敬遠される。
低めの自己評価をつけていても、周りの評価で総合評価が上がることもある。
けれども、アメリカ人の感覚だと「自己評価」は「自己をアピールする機会」なのである。
だから、自分がいかに優れているか、いかに努力をしたかを強調する。
自己評価が低い人は、「自分に自信のないヤツ(自分を信じられない人は、他人から信頼されなくても仕方がない)」と思われてマイナスイメージなので、当然、ほとんどの人が高い評価をつける。
その結果、自己評価よりも総合的な評価が下がることはあっても、上がることはない。
なので、アメリカの自己評価を日本式の感覚でやると、とんでもなく低い評価になってしまうことがあって危険。
今回の教訓:アメリカの「自己評価」は「自己アピールの機会」。日本のように受身で控えめな評価は通用しない。積極的に自分に高評価をつけよう。
謙譲の美徳とか通用しないのね
返信削除頑張ったから99点とかでいいんなら
うちの子は何点?って考えた
きっと80点くらいって言うんだろうなあ・・・
投稿: Lino | 2013年11月22日 (金) 08時21分
>Linoさん
削除訪問&コメントありがとうございます。
日本のように自分を卑下して相手を立てる習慣はないですね。
自己評価は、他人がどう思うかではなく、自分がどう思うかでつけていってますね。
投稿: yuuki | 2013年11月24日 (日) 07時26分
あ~、分かる!この感覚の違い
返信削除郷に入らずんば郷に従え、は分かっちゃいるけど
自分を売り込むのは日本人苦手ですよね~
寧ろ我が家のチビの様に
「すっごく頑張ったんだよ」
と言う方が良いのでしょうね。
成果は何も出ていなくても言い切るもの(笑)
チビ、アメリカ向きかも…
投稿: 瀬津喩 | 2013年11月22日 (金) 10時34分
>瀬津喩さん
削除いつもコメントありがとう~
チビ君の「すごっく頑張ったんだよ」って、言いたくなる気持ちわかります。
結果が出なくても頑張ったら褒めて欲しいですものね。
そして、アメリカの先生方は褒め上手な先生が多いです。
投稿: yuuki | 2013年11月24日 (日) 07時26分
国が違うと常識が通じないのですね。
返信削除まあくん(楽天の野球選手)も、
日米の考え方の違いから
メジャーには行けないかもという記事を
書かれていましたよ
投稿: 母 | 2013年11月22日 (金) 11時52分
>母さん
削除訪問&コメントありがとうございます。
プロ野球の世界でも、(言葉以外の)日米の違いがあるのですね。
外国で活躍するのは難しいですね。
投稿: yuuki | 2013年11月24日 (日) 07時26分
こんばんは!
返信削除確かにそうですね。
自己評価に関してはyes、noの使い方と同じく著しい違いを感じます。
ご主人の会社に提出する物ならば間違いなくアメリカ式で評価しないと損しかしないですね。
でも皆が「私は頑張った!」と自己評価した場合、どう差別化するんでしょうね…( ̄▽ ̄)
投稿: ミナゾウ | 2013年11月22日 (金) 20時22分
>ミナゾウさん
削除いつもコメントどうもです~
夫の会社はアメリカの会社だし、トップもアメリカ人が多いので、
日本式で自己評価してたら、「使えないやつ」と思われちゃいますよね。
評価の基準になるのは、自己評価だけでなく、同僚や上司の評価も合わせて総合的に判断されるから、実力とかけ離れた評価がつくことはないです。
投稿: yuuki | 2013年11月24日 (日) 07時26分
おもしろーいでもアメリカの方が世界共通レベルなのかな?
返信削除日本人て、お土産なんかでも「粗末なものですが・・・」
なんて言うじゃないですか~
粗末なものなんて、誰もいらないですよね(;^_^A
だけど、他人の宿題を写してもがんばったから99点て・・・
先生は過程を見てないから写したことは知らないのかな?
関係ないですけど、旦那さまがyuukiさんの横でブツブツ
言うときは英語なんですか~?
英語で独り言言ったら、なんだかカッコいいですね~
投稿: tomo* | 2013年11月22日 (金) 21時27分
>tomo*さん
削除いつもコメントありがとう~
確かに、日本は贈り物をする時「つまらないものですが…」っていいますね。
こっちでそれを直訳したら、(不用品を押し付ける)凄く失礼な人になっちゃいます。
私の取っていたクラスの先生は、宿題を写していることは知らなかったと思います。
夫がブツブツ言う時は、英語だったり日本語だったり色々です。仕事は英語でのやり取りがほとんどなので、英語でブツブツやってることが多いです。
投稿: yuuki | 2013年11月24日 (日) 07時26分
すごく参考になりました。
返信削除ありがとうございます。
投稿: みやんど | 2013年11月23日 (土) 00時27分
>みやんどさん
削除訪問&コメントありがとうございます。
私も、アメリカ人の感覚が日本人とはかなり違うのがわかって、勉強になりました。
投稿: yuuki | 2013年11月24日 (日) 07時26分
日本人って謙虚過ぎるんですかね。
返信削除でも、なかなか出来ないですね日本人としては。でも、今後は参考にさせて頂いて自己評価を行うときには気持ち上の点数を記入してみようかな。
投稿: suika | 2013年11月23日 (土) 20時35分
>suikaさん
削除訪問&コメントどうもありがとう~
日本人は謙虚過ぎて、主張するべき所でも黙っているので、国際社会ではかなり損していると思います。
もっと、自分(や自分の国)を誇っても良いのに…と思います。
投稿: yuuki | 2013年11月24日 (日) 07時26分