2008年3月20日木曜日

一事不再理って?(ロス疑惑)


「いとこのビニー」で裁判の話が出たので、もう一つ裁判に関する話をしたいと思います。

(←ビル・オブ・ライツの原文の写真)

ロス疑惑で記事に出て来た「一事不再理」って何だろう?と思ったので、教科書で調べました。

アメリカの憲法の修正(Amendment of the Constitution)は現在27条まであって、1791年2月にに批准された最初の10条の修正はビル・オブ・ライツと呼ばれていて、国民の基本的人権を国家権力から守るために作られました。

その中の第5条は黙秘権や一事不再理、所有財産の保護について触れられていて、一事不再理については、"Nor shall any person be subject for the same offence to be twice put in jeopardy of life or limb"(大まかな訳:同一の人物が同じ事件で2度起訴されてはならない。)と決められていて、今回のロス疑惑では1度日本で結審しているので、再びアメリカで刑事事件として裁判にかけられるかどうか、と言うのが論点らしい。

原告のカリフォルニア州は「外国の裁判は裁判に数えない」という州の法律があるので、裁判できると主張しているのですが、もう一つ問題があって、その法律が成立したのがロス疑惑の判決が出た後だったため、合衆国憲法の基礎になっている「法の支配」の中の"prospectivity"(内容は、法律は未来において適用するべきであり、過去に遡って適用してはならない。)に違反する、とされているためです。

「一事不再理」が適応された最近の有名な例に、O・J・シンプソンの妻殺害疑惑があります。
1994年にフットボール選手のO・J・シンプソンが妻とボーイフレンドを殺した疑惑で、陪審裁判で1995年に無罪の判決が下されています
その後に、妻の殺人をほのめかすような本を出版していて、世間一般には彼が妻を殺したに違いないと信じられていますが、裁判が終わってしまったのでもう一度裁判をすることは出来ません。
2007年に不法侵入と強盗で逮捕されましたが、殺人の件については一度結審しているために起訴されませんでした。

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