Overflowing BrainはTorkel Klingberg著のワーキングメモリーに関する心理学の本で、初版はスウェーデン語で2007年に出版、英語版の初版が2008年、日本語訳版が2011年に出版されています。
(←英語版の表紙※1)
日本語訳版のタイトルは「オーバーフローする脳」で、翻訳者は苧阪 直行です。
この本はワーキングメモリーについての、(当時の)最新の技術を使って、その働きや訓練の仕方などについての実験結果や、その他の関連する論文などの研究と考察を元に、ワーキングメモリーを訓練して発達させることができるのかどうかを検証していく内容でした。
(←日本語訳版の表紙※2)
結論として、「人間はワーキングメモリーを鍛える事ができる」という事が書かれていたのですが、具体的な方法については詳しく書かれていませんでした。
本の最初の部分では「ワーキングメモリーとは何か?」について、解説されていて、その後研究の結果や関連論文の考察なども交えて、説明が進んでいきます。
また、ワーキングメモリーとADHDについての関連を考察する章もあって、興味深いと思いました。
英語版を読んでいて思ったのは、(本は一般向と研究者両方向けということになっていましたが、)この本を読むには最低でも大学の教養レベルの心理学と教養レベルの生物学の知識がないと無理だと思いました。
日本語版はどうなのかわからないけれど、英語版は気軽な楽しみのための読書には向いていない本だと思いました。
(ワーキングメモリーについて興味のある、人にはいいのかもしれないけれど…)
↑の表紙の画像の参照
※2:http://www.amazon.co.jp/gp/product/images/4788512610/ref=dp_image_0?ie=UTF8&n=465392&s=books
より、引用
WMに関しては私も何回もBlogにしていますが、
返信削除発達障害に良い影響があるかどうかと
いうならばNo!と言います。
WMは経験値の引出しを増やす事で発達障害者は
臨機応変に引出しを開ける事が出来ない。
故にWMだけやっても意味がないという事に関係者は
いい加減気付くべきだ、という事です。
WMだけを鍛えても仕方がないんです。
投稿: 瀬津喩 | 2014年7月14日 (月) 13時03分
>瀬津喩さん
削除訪問&コメントありがとうございます。
うちの夫が物忘れが激しい(記憶の容量が少ない?)ので、記憶力の改善に役立つかと思って読んでみたのですが、ちょっと違ったみたいです。
本が出版されたのが2007年ころで、ワーキングメモリーがまだ世間にあまり知られていない時期のもので、本の半分以上がワーキングメモリーの解説と研究の結果の提示に割かれていました。
投稿: yuuki | 2014年7月15日 (火) 23時49分