As a Man Thinkethはイギリスの哲学者ジェームズ・アレン著の1903年に出版された自己啓発本。
日本語訳は「『原因』と『結果』の法則」で、2003年にサンマーク出版から単行本が出ています。
(それ以前にも日本語訳が出版されていたかどうかは不明。)
この本にたどり着いたのは、アール・ナイチンゲールの著作「人間は自分が考えているような人間になる‼」(原題:Earl Nitingale's Greatest Discovery)を読んでいて、本の内容に関連のあるナポレオン・ヒルやジェームズ・アレンの著書も読んでみたくなったからです。
この記事の画像に使われている本には、As a Man ThinkethとEight Pillers of Prosperity(1911年のジェームズ・アレンの著書。題を日本語直訳すると「繁栄の8本の柱」)と、ジェームズ・アレンの生涯と作品についての簡単なまとめが含まれていて、Eight Pillers of Prosperityには、8つの原則を神殿の柱に見立てて説明されていました。
人格主義を元にした応用哲学・自己啓発本で、「宇宙を治める法則(原則)があって、その法則にしたがって生活している人は繁栄する、法則を無視した場合は一時的な成功は納められるかもしれないが必ず失敗し没落する」という考えがAs a Man Thinkethの主題になっています。
この本で述べられている原則(正直、誠実、正義、智恵、洞察力、忍耐、冷静、勤勉、自立など)と成功の関係が説明されています。
ジェームズ・アレンの著書や思想はD・カーネギーやナポレオン・ヒルにも影響を与えたと言われていて、彼らの著書にアレンの思想が反映されているらしいです。
(ナポレオン・ヒルはまだ読んでいないし、D・カーネギーの「人を動かす」を読んだのは小学校高学年の時なので内容をほとんど覚えていないので、読んでみたいです。)
本の内容は、ユングの提唱する「集合的潜在意識」やS・コヴィの「7つの習慣‐原則中心のリーダーシップ‐」の内容と一致する部分が多く(「7つの習慣…」はこの本の現代版解説本じゃないかと思うくらい内容が似ていて)、100年以上前に出版された本だけれど現代に生きる人にも参考になると感じました。
著者自身が作品の中で、「原則は廃れないが、詳細は廃れるのでこの本にはビジネスの詳細は書いていない」と言及しています。
原則に重点を置いたため、現在まで読み継がれるロングセラーになったのではないかと思います。
この本は原則に重点を置いた内容だけれど、原則を説明するために比喩や例えや引用は使われています。
この本の書かれた時代は、哲学が広く研究されていた時代で、本の中にもカントやエマーソンの著書や言葉の引用が所々に見られます。
まだ心理学の分野が学問として確立される前の黎明期で、発達障害や人格障害もサイコパスやソシオパス等の存在も発見されていなかった時代でした。
また、その当時の文化や生活様式(フェミニズム運動がまだ起こっていなくて女性の活動に制限があった。外燃機関から内燃機関への移行期。大量生産が大量消費の文化の先駆けの時期。)の背景などを考慮に入れながら読まないと、例として挙げられたその当時の情報だけに目が行ってしまって「現代の生活には使えない」と誤解してしまうのではないかと感じました。
おまけ:
この本は100年以上も前のイギリスの作品という事で、読むのに大変苦労しました。
著者の主張自体は普遍的な原則に沿っていて、どれも納得できるものでしたが、使われている単語が今では違った意味で使われていて、この作品とEight Pillers of Prosperityを読むのに、1000語近くの単語を辞書で調べなければなりませんでした。
辞書で引いた時、(古)のマークや(廃)のマークがついている意味が、この本で使われている単語の意味に近いものが多かったです。
もう1つ気が付いたことは、日本語は英語に比べると語彙が少ないのでは…という事です。
例えば、
「無頓着な」という意味の単語は
・indifferent
・inattentive
・negligent
・careless
・heedless
「非難(する)」
・reproof
・rebuke
・upbraid
・condemnation
・recrimination
・criticism
・reproach
・censure
・accusation
「詐欺師」
・deceit
・impostor
・swindler
・fraud
・trickster
日本語にしたらひとくくりだけれど、英語だといろんなケースや色んな種類によって使い方も違っているのかも…
「詐欺師」という単語の多さに、「(英語圏では)どんだけ詐欺師が多いんだよ。」と、思ってしまった。
他にも「偽る(偽り)」、「怠惰」、「曲げる」など、
日本語の意味を見る度に、「さっきも調べたんじゃなかったけ?」
と、思うことが何度もありました。
英語版は読みにくいのですね〜。
返信削除日本語版(サンマーク出版)は、読みやすく書かれていました。
D.カーネギーを小学生で読んだのはすごいですね!
読書って、1冊読むとそこから読みたい本が出てきて広がっていくのがいいですよね(o^-^o)
投稿: yokorin | 2015年9月 2日 (水) 09時09分
>yokorinさん
削除こんにちは~
訪問&コメントありがとうございます。
そうなんですね、日本語版は読みやすいのですね。
英語版は古典とまでは行かないのですが、日本語でたとえると森鷗外の小説を読んでるような感覚です。
言葉遣いがちょっと古い感じです。
Dカーネギーの「人を動かす」は父の書斎にあったのを拝借して読みました。
あの当時は活字だったら何でも良かったんですよね。
内容も全部理解できていたかは疑問です。
また読み直したくなりました。
(今度は英語で読みます。)
投稿: yuuki | 2015年9月 2日 (水) 22時38分