高校卒業までの10年間、アメリカの学校に通っていた怪獣は、日本語よりも英語の方が読み書きの方が得意。
でも、家では専ら日本語で、日常会話の殆どは日本語だけれど、不都合が起こる事はほとんどない。
夫は怪獣と話す時は全て日本語で、英語を使うことはない。
私は状況に合わせて日本語を使ったり、英語を使ったりする。
今まで怪獣と話す時、無意識に英語と日本語を切り替えて使っていたから気にもとめていなかったけれど、最近私が怪獣に英語を使う状況にはパターンがある事に気が付いた。
私が英語を使う時は、ほぼ説明する時や指示(インストラクション)を出す時に限られている事だった。
どうしてだろう?
と考えた結果、多分、説明したり指示を出す時には、英語の方が日本語よりも言語として向いているのではないかと感じた。
まず、日本語の会話では、一人称と二人称は省かれるのが普通で、誰が主語なのかは話の前後関係などから察知する。
それに対して、英語は会話でもよっぽどのブロークンイン・グリッシュではない限り、主語が省かれることはない。
主語の位置も、日本語は格助詞があるので文のどこに入れてもOKで、どれが主語でどれが目的語(動作を受ける物や人)なのか、これも格助詞や文脈などから判断するしかない。
例:『私はあなたを好きです』も、『あなたを私が好きです』も同じ意味。
一方英語は単語の位置で主格か目的格かが決まるため、主語の位置が厳密に決まっていて、規則性がある。
例:"I love you."は「私があなたを好き」だけれど、"You love I."は"You love me.(あなたが私を好き)"を言い間違ったんだな…と、思われてしまう。
もう1つ、英語には限定詞/決定詞(冠詞、指示代名詞、代名詞、名詞の所有格など)があって、名詞がどのような状態なのかを限定詞から知ることができるが、日本語にはそれらの概念がない。
おまけに、日本語は動詞が最後に来るので、時制が文末に来るまではっきりしないうえ、英語ほど細かく時制が分かれていない。
例:日本語の場合「公園に行…」まではどの時制も一緒、現在形なら…の部分に「く」が入るし、過去形なら…の部分に「った」が入る、未来形なら「くだろう(く予定)」が入る。
ついでに、日本語には時制の一致と言う概念がないので、いつの事を話しているのかが分かりにくい。
日本語は同音異義語が多かったりなど他にも色々特徴はあると思うのだけれど、全体的にみて日本語は英語と比べると曖昧な言語(誤解を生みやすい言語)と言えるのではないかと思う。
発達障害をもつ怪獣は、言外の意味や行間を読むのが苦手なため、それらの日本語の曖昧さが、相手の意図している事を正確に読み取る時のネックになっているのではないかと思う。
アメリカ留学を決めた時、(私自身も英語が全くできなかったのでよくは分からなかったものの)漠然と「日本語よりも英語の方が(怪獣にとって)習得は簡単だろう」と感じていたことはあながち間違いではなかったようだ。
発達障害と言っても色んなタイプがいるので、たまたま、怪獣の場合は英語で教育を受ける方が良い結果が出ただけかもしれない。
とにかく、説明や指示は英語の方が怪獣にはわかりやすい事は確か。
夫は自分が日本語の方が使いやすいので、相手の理解度の事は全く考慮に入れず、一方的に日本語で説明するので、しばしば怪獣は理解できない事がある。
怪獣が理解できないと、
「人の話を聴いていない。(聴こうとしないからだ!)」
と、怒る。
傍から見ている私は、「日本語で分からないなら、英語に切り替えて説明すればいいじゃん」と、思うのだが、
そこは発達障害の疑いの非常に強い夫、自分にとって使いやすい日本語で説明すれば、他の日本人(日本語が母国語の人)にも理解されやすいはずだと(思い込みが激しすぎて)変更が効かない。
┐(´д`)┌ヤレヤレ
かくして、今日も夫と怪獣のすれ違いは続くのだった…
英語には英語のメリットがありますね~。
返信削除それがわかれば、もっと英語の勉強楽しくできそうですよね。
うちの子は、耳から入る情報整理が不得意なので。まずヒアリングから入る今の英語授業にはついていきにくいらしいです。エライ点数とって帰ってきます
昔ながらの詰め込み・書き取り授業のほうが向いてるかもって、療育相談の先生にも言われました。( ´艸`)プププ
投稿: アールグレイ | 2015年10月12日 (月) 10時07分
追伸
削除どこで・誰から・でもよいから、怪獣君に合った勉強方法・学習方法が見つけられたことはよいことだと思います。
努力が要るところはどこででも一緒だもの。
これは障害があってもなくても、おんなじことですよね。
私も早く見つけてやりたいです。
自分の進路を学力で狭めるのは、もったいない気がするのですよ
投稿: アールグレイ | 2015年10月12日 (月) 21時01分
>アールグレイさん
削除訪問&コメント+追伸ありがとうございます。
頭が大人の脳に切り替わってから(臨界期を過ぎてから)の外国語の勉強は大変ですよね。
日本は今ではリスニングから入るんですね。
私の頃はアルファベットの書き取りからだったような気がします。
おまけに教師は日本人。
発音なんてモロに片仮名だったような…
息子の勉強法は、アメリカの学校ののIEPやESLの先生がカリキュラムを組んでやってくれました。
IEPは、以前の記事にも書いたように、勉強だけじゃなくて、プロムで一人にならないようにとか、自撮り(セルフィー)の撮り方まで教えてくれたり、至れり尽くせり状態でラッキーでした。
投稿: yuuki | 2015年10月15日 (木) 03時59分
私も(しゃべれるというレベルではありませんが)過去の経験から英語の方が向いていると思います。ネット上の記事などでも「英語の方が会話しやすい」という発達障害の方は多いようです。
返信削除文法的なご説明、大変わかりやすく、なるほどと思いました。
ただ、私はあと2つ理由があると思っています。
テンション(感性)が変わることと、(ネイティブでない場合特に)言い方に感情を振り回されずに理性的に意味を理解しようとすることです。
投稿: ふうぷう | 2015年10月12日 (月) 14時32分
>ふうぷうさん
削除訪問&コメントありがとうございます。
ご指摘のテンションについてですが、うちの息子の場合は英語も日本語も同じ調子で話すので、英語で喋っていても日本語と同様に抑揚がなくて聞き取りにくいです。
夫とは英語で会話をしたことがないので、(私が英語で話しても日本語で返事が来る)テンションがどうなるのかはわかりません。
もうひとつの感情に振りまわされずに…
と言う点は、息子の場合は元々感情に乏しいのでよくわかりません。
私が英語を使う時は、理屈っぽさが増すようで、夫は私と英語で話すのを嫌がります。
投稿: yuuki | 2015年10月15日 (木) 03時59分
よくわかりませんが息子さんが発達障害なんですか(?_?)確かyuukiだったように思うのですがね(・・?でもニッキーにとっては英語も日本語も分かって話せてる貴方達家族が素晴らしいと思いますよ>^_^_<)ハロイン素敵なテーブルセッテングですね(^_^.)お休みなさい(-_-)zzz
返信削除投稿: ニッキーベス | 2015年10月20日 (火) 22時54分
>ニッキーべスさん
削除こんにちは~
お元気でしたか?
訪問&コメントありがとう~
我が家で発達障害の診断を受けているのは息子だけですが、私も検査こそ受けていないものの息子の主治医から、発達障害の疑いがあると言われました。
夫は第一印象が良いので、発達障害には見えないですが、一緒に暮らしている診断を受けている息子よりも、発達障害の特徴が良く出ていることに気が付きます。
ハロウィンのデコレーション褒めてくれてありがとう。
あと10日、ハロウィン気分を楽しみたいと思います。
投稿: yuuki | 2015年10月21日 (水) 02時47分