震災から1年が過ぎて、震災直後一時関西に避難していた(日本にいた時に夫が働いていた)会社のオフィスも首都圏に戻って、 以前の様に日本のオフィスの同僚から「アメリカのオフィスで仕事ない?」と聞かれることもほとんどなくなったそうです。
今は日本のオフィスの同僚で欧米のオフィスへの転勤を希望しているのは、アジアの国から日本に仕事に来ている人たちだけになり、日本人の転勤希望者はいないそうです。
日本のオフィスで働いていて、欧米のオフィスへの転勤を希望しているアジア人のKさんが、アメリカ出張で我が家に食事にきて、話す機会がありました。
彼の話によると、原発事故があった直後に奥さんと子供たちは母国に帰国させて、カナダのビザを取って、今は奥さんと子どもたちはカナダに住んでいるそうです。
事故が起こる前は、日本で永住権を取って退職後も日本で住むつもりだったそうですが、事故後は(放射能に汚染されていない)安全な食べ物を手に入れることが難しくなったこと、子どもがまだ小さいことを考えて自分は仕事で日本を離れられないので、妻子だけ先にカナダに引越しさせることにしたそうです。
(「母国には帰らないのか」と聞いたら、母国の生活レベルが良くないので帰る事は考えていないらしい。)
2年前まで仕事の都合で日本に住んでいて、今も時々出張で日本に出かけるJ.Cさんは、Kさんとは別の考えで、会社から指示があれば日本に家族で戻る事を考えているようです。
J.Cさんによると、「日本に住む外国人の今回の原発事故に対する考え方(態度)は2つに大別される」らしいです。
1つはKさんの様に「日本は放射線で汚染されていて危ないから、(自分が日本を離れられない場合は妻子だけでも)母国に帰国するか、第三国に引越しする」というタイプで、原発の事故後このタイプのほとんどの人が日本を離れたそうです。おかげで都心の外国人向けのアパートの需要が減って、賃料が事故の前の月160万円から事故後は半値の月80万円に値下がりしてしているそうです。
もう1つはJ.Cさんの様に、「放射能の汚染はあるけれど、首都圏は人体に影響がでるほどのレベルではない。食べ物も注意して選べば安全。」というタイプ。このタイプの人は事故直後は母国の勧告に従って、一時日本国外や国内の原発から遠い地域に退避したけれど、現在は首都圏に戻って生活している人が多いようです。
中には夫婦で「危険」タイプと「安全」タイプに意見が分かれてしまったカップルもいるみたいです。
今回の原発事故では、日本人だけでなく、日本に住んでいた外国人にも色々な影響があったんだなあ…と思いました。
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