アメリカの中学校・高校と日本の中学校・高校のシステムの大きく違う点は、生徒が自分で時間割を決める単位登録制だということと、教科が変わるたびに生徒が教室を移動すること。
日本は中学までは学年制、(全日制の)高校は単位制だけれど、どちらも学級ごとに時間割が決まっていて、(ごく一部の選択科目を除いて)生徒が自由に時間割を決めることは出来ない。
日本では教室も学級で固定で、生徒は教室にいて教師が教室間を移動して教える。
アメリカでは中学も高校も単位制で、ランチタイムの時間の割り当てやホームルームなどの例外はあるけれど、生徒が自分で単位の登録をして時間割を決める。
自分で時間割を決めるため、時間割が個人個人でバラバラなので、学級(生徒が教室で待機、教師が移動)というシステムが成り立たない。
教師が教室で待機、生徒が教科が変わる毎に移動する。教科ごとに毎時間移動なのに、授業と授業の間の休み時間は短くて、下手したらトイレに行く隙もないこともある。
日本の大学のシステムと似た感じ(日本の大学よりももっと教科選択の自由度が高いけれど…)です。
日本のシステムになれていると、アメリカの中学校・高校のシステムってなんだか面倒くさそうだけれど、時間割が自分で決められるということと、生徒が教室を移動することのメリットは、虐めが起こりにくいこと。
①個人個人で時間割がバラバラなので、教科毎にクラスメイトが変わるため、虐める側・虐められる側・傍観者などの人間関係や力関係が固定しにくい。
虐めがあったとしても虐めの加害者と被害者が同じクラスにいる時間が短い。
日本の様に一日中一緒でずっと虐められっぱなし、ということは起こらない。
②虐めにあっても、時間割を変えれば虐めの加害者とは別のクラスに移れる。
③休み時間が短いこと、その間に教室を移動しなければならないので、虐めをしている時間の余裕がない。
④義務教育の期間でも学校に行かずに家で勉強するホームスクーリングが認められていて、規定を満たせば卒業できるので、虐められているのに無理して学校に行く必要がない。
アメリカの制度が完璧と言うわけではないし欠点もあるけれど、日本のように、「一日中同じ場所で同じ人間と一緒」で「(教科担任が入れ替わるだけで)外からの出入りも少ない」状況は、閉ざされた環境で虐待や虐めが起こりやすいし、虐待や虐めがエスカレートしても歯止めになるものがなくて怖い。
虐めの起こりやすい環境で問題が起こってからあれこれ対応したり調査したり責任の追及をするよりも、虐めの起こりにくい環境を作って予防する手もありじゃないかと思う。
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