2012年7月31日火曜日

意外と保守的な国アメリカ


 日本にいた頃のアメリカのイメージは、「(旧世界の国とくらべると)若い国」「一番乗りが好き」「パイオニア精神」等、「柔軟で若い」というイメージだった。

 実際住んでみると、アメリカの社会って意外と保守的で融通性がない部分も見えてくるので興味深い。

(←ニューヨークの魚市場
使われている量りはポンド単位の量り)

 例えば、アメリカでは度量衡にメートル法を採用していない。いまや国際的な標準になっているメートル法を採用していないのは、アメリカも含めて3カ国だけ。
 アメリカで使われているヤード・ポンド法は十進法じゃないので、計算がややこしいのにそれでもメートル法に移行できない(もしくは移行する気がない)。

(←マイル表示の標識) 

 おまけに温度の単位も華氏を使っている。
 グローバル化の流れに逆行しているうえに、不便なのに…と思う。

 変えられないと言えば・・・
 アメリカの医療制度は自由診療で医療保険は一般的に個人保険で、ヨーロッパや日本のような公的な医療保険(ユニバーサル・ヘルスケア)ではない
 加入している保険で利用できる病院や治療も細かく限定されているので、利用できる病院に治療のための設備がなかったり、保険が適用されない治療の場合は自費、治療費が払えない場合は治療が受けられないこともあって、下手すると命に関わる。
 医療制度の問題は随分前から指摘されていて、改革しようと試みられてはいるけれど、変わらないまま。

 銃規制についても、毎年沢山の人が銃の犯罪や事故や乱射で命を落としているのに、憲法で(正確に言うと修正条項で)銃を所持する権利が認められているため、一般人でもたやすく銃を手に入れることが出来る。
 誰がどれだけ銃器や弾丸を持っているのかわからないので、この間のコロラドの映画館での乱射事件のような事件が、何時でも何処でも起こる可能性がある。

 他にも、学校の授業で「進化論」を教えるかどうかが議論されたり、環境問題への意識が低かったり、保守的な面が結構ある。

 度量衡がメートル法でないことは、「不便だな」と思うくらいで済むのだけれど、医療制度や銃規制は命がかかってくるだけに、「保守的で興味深い」では済まされない気がする。  
  

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