2018年2月26日月曜日

Gun Control(銃規制)4 Bill of Rights(AmendmentⅡ)


 2月14日にフロリダ州のパークランド市の高校で起きた銃の乱射事件で、17人が死亡した。

(←スーパーのエアガン(空気銃)の棚
日本でエアガンといわれるソフトエアガン(遊戯用)とは違って、小動物などのハンティング用で殺傷力が高い。)

 犯人はその高校を退学になった元生徒の19歳の男性だった。

 このような銃の乱射事件が起こる度に、銃規制について一時的に議論される一方で、事件をきっかけに護身用の銃がの売り上げが伸びる現象が毎回と言っていいほど起こる。

 トランプ大統領は「教員が銃を持てば(銃撃は防げるから)問題は解決する」と言っているらしいが、銃撃事件が起こる度に銃の売り上げが上昇する事実から考えると、多くのアメリカ人がトランプ大統領のように自分が武装すれば(撃たれそうだったらその前に相手を撃ち殺してしまえば)いいと考えているように見える。

(←エアガンは盗難防止のセキュリティータグはついているものの、普通の商品と同じように棚に置かれていて誰でも手に入れることができる。
銃弾は鍵のかかるケースに入れて売られている。
人間を殺傷することのできる本物の銃は、店員が常時いる銃コーナーのカウンターに鍵付きで置かれている。)

 よく「アメリカでは銃の所持の権利が憲法で保障されている」と、言われるし、この前の大統領選挙の時もトランプ候補が憲法を擁護する立場として銃の所持を支持していた。

 正確には武装の権利憲法の修正条項で保障されているのであって、銃の保持が憲法で保障されている。

 合衆国憲法の最初の10の修正事項は『Bill of Rights(権利章典)』と呼ばれていて、基本的な人権を守るために追加された事項で、その中の2番目の修正条項で武装の権利が侵害されない事がうたわれている。

Amendment Ⅱ
 A well regulated Militia, being necessary to the security of a free State, the right of the people to keep and bear Arms, shall not be infringed.
(規律ある民兵は、自由な国家の安全にとって必要であるから、人民が武器を保有し、また携帯する権利は、これを侵してはならない。
日本語訳:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A8%A9%E5%88%A9%E7%AB%A0%E5%85%B8_(%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB)
より引用)

(←トイガン(BB弾を使う遊戯用の銃)、実銃と見た目で区別するためにマズルにオレンジ色のマーカーがついている。)

 アメリカで日本のような銃規制をするためには、2番目の修正条項を取り消さなければならないのだけれど、あまりにも銃が流通・普及してしまっていて、完全に回収するのはほぼ不可能だし、アメリカは国境が陸続きなので、国内で銃規制しても国外から流入してくる可能性も高い、市民が非武装になった時に犯罪組織が銃で武装し続ける可能性が高いという不安から、取り消しにするための法案さえも通らないのが現実。

 アメリカの銃規制は日本の憲法改正以上に難しそう。

 

 

2 件のコメント:

  1. アメリカの発想の根本は、自分のことは自分で守る権利を保持する、ですね。
    日本の、極端なお上任せ、と正反対です。私は、日本の正当防衛に厳しすぎる制度にも、疑問がありますが、アメリカの銃社会にも少し行きすぎかと思います。ただ日本の悪いところも見ていかないといけませんね。

    投稿: 正体不明 | 2018年2月27日 (火) 08時03分

    返信削除
    返信
    1. >正体不明さん

      訪問&コメントありがとうございます

      日本は歴史的に為政者が良かったんだと思います。
      (実際2000年以上、国家として続いているし…)
      欧米では為政者は必ず汚職や退廃するか暴君と化すかの歴史だったので、政府を完全に信用できないため、いつでも悪徳な為政者を倒すために武器が必要という考えみたいです。

      投稿: yuuki | 2018年3月 1日 (木) 11時54分

      削除