先月『異常心理学』のクラスの登録を取り消したので、今学期私が取っているクラスは『Adjustment of Psychology』のみになりました。
『Adjustment of Psychology』のクラスは応用心理学の一種で、社会学と心理学を合わせたような内容で興味深いです。
先日授業で、Confirmation Bias(確証バイアス)について学んだのですが、それに関連した会話(口論?)が夫と私であったので記事にしてみることにしました。
Confirmation Bias(確証バイアス)は、仮説(持論)などを検証する時に、仮説(持論)を支持する情報ばかりを集め続けて、反証を無視したり集めようとしない傾向のことで、心理学の実験などでは確証バイアスが起るのをさけるために、double-blind(二重盲検:被験者にも研究者にも薬や治療などを誰が受けているか知らせずに行う方法)を行うことがあります。
2月24日に普天間基地の辺野古への移設の是非を問う県民投票があり、辺野古への移転に『賛成』『反対』『どちらでもない』の3つのうちから選ぶもので、
結果は、
・投票率 …52.48%
・賛成 …11,4933票
・反対 …43,4273票
・どちらでもない…52682票
『反対』が有効投票の72%、有資格者の38%(小数点以下四捨五入)
でした。
日本のマスコミなどでは、「反対が7割超え…」などと報じられているようで、
夫も
「反対が7割も超えているんだったら、(日本)政府も対応しないわけにいかないだろう。」
と、言っていました。
私が、
「でも、有資格者の37%しか反対票はないんだよ~」
と指摘すると、
夫は
「そんなこと言ったら、他の選挙も投票率5割を切っていてもその中から得票数の多かった候補が当選するから、今回の住民投票の結果の『7割超え…』が認められないなら、他の選挙で当選した候補者も無効だろ。」
と言い出しました。
ここで「選挙と県民投票は違う…」などの会話がされたのですが、確証バイアスとは殆ど関係がないので、記事には書かないけれど、
私が
「反対票を投じたのは、有資格者数の37%だったということは確かだよね。」
と言ったら、
夫は
「それは数のトリックだよ、お前(私)がだまされている。証明するから、紙持ってこい。」
と、言い、説明を始めました。
d( ̄  ̄) ヾ(゚△゚)オイオイ・・・
騙されてるのは自分だよ~
夫は、投票者数全体で7割が反対だったんだから、投票していない人も同じ比率で反対票を投じるだろうという感じの説明を始めました。
統計をとる時など、全数調査するのは不可能だから、集まったサンプルの中から全体の傾向を把握するためにデータを調整することがあるので、夫の言おうとしていたことは何となくわからないでもないけれど、『投票』というサンプルの集め方は無作為抽出ではないので、サンプルに偏りがある可能性が非常に高い。
「もしも…」
と、夫が説明をはじめたけれど、(話を遮るのは私の良くない癖なのだけれど、論理的に破綻している説明をダラダラと聞くのは面倒だったので、)
私は夫の説明を途中で遮って、
「もしも…という不確かな予測はこっちに置いておいて、事実で話を進めようよ。有効投票数の7割と有資格者数の37%というのは同じ数なんだよ。7割になるか38%になるかは分母の違いなんだよ。」
と、
データという観点から見たら、何を分母にするかで解釈が変わってくることを夫に説明しました。
今回の住民投票の結果に関して、沖縄県知事もマスコミも「反対票が7割超え」を強調しているけれど、有資格者の6割が反対票を投じていない事に一切言及しないのは、自分の考えに沿った情報だけに着目して、反証を無視する『確証バイアス』そのものじゃないの?フェアなものの見方ではないな、と思いました。
(夫の様に)心理学や統計とは無縁の生活を送っていたり、政治にあまり興味がなかったりしたら、「『反対』が有効投票数の7割超え」という情報だけ受け取ったら、県民の7割が移設に反対していると思ってしまうのも仕方ないかなぁ…
こうやって、世論は形成されていくのね…と思いました。
この話はとても難しいですね。確かに夫君の言う事にも一理あります。選挙というものは、投票した人間の中での多数派が力を持つ。その前提は、無投票者も同一の分布という発想です。
返信削除但し、今回の選挙に関して言えば、投票しないという行動自体が、決めかねているという意思が大きく働いているので、『積極的反対』を、今回の投票の中の比率で延長するのは無理があります。ここまで中身を突っ込んだ議論ができていませんね。
投稿: 正体不明 | 2019年3月10日 (日) 08時17分
>正体不明さん
削除訪問&コメントありがとうございます。
基地の移転は政治的な意図や住民感情も絡んでくるのでデータだけで結論を出すのは難しいのに、なぜ投票してデータを集めたのか?集めたデータが何の役にたつのか?この住民投票の目的がよくわからないです。
投稿: yuuki | 2019年3月13日 (水) 02時37分
こんばんは!
返信削除私はyuukiさんの言うとおりだと思いますよ。
「賛成」の人と、「どちらでもない」人と、投票しなかった人が6割越えです。
つまり、積極的に反対ではない人の方が多いのですよ。
元々、この県民投票は無意味なのだから、反対ではない人は投票に行くのを止めましょうと言っていたところ、危機感を抱いた県知事が「賛成」「反対」しかなかった選択枝に「どちらでもない」を追加したのです。
それでも、県民投票へ行くだけ無駄だから行かない人が半分近くいた訳です。
単に数のトリックと言うよりも、沖縄の2紙をはじめとした朝日、毎日、東京等、反日マスコミのトリック報道だと思いますよ。
投稿: FUJIKAZE | 2019年3月10日 (日) 23時04分
>FUJIKAZEさん
削除訪問&コメントありがとうございます。
やはり、今回の投票は印象操作が絡んでいたのでしょうか?
沖縄県知事のコメントや、マスコミの報道があまりにも一方的なので、違和感を覚えたし、疑問に感じました。
投稿: yuuki | 2019年3月13日 (水) 02時37分