2012年11月25日日曜日

アメリカの発達障害児就学事情


 私は日本の学校の特別支援のことはあまりよく知らない。
怪獣が日本の学校に通ったのは、小学校1年~小学校3年の1学期まで(2年と3ヶ月強)だし、色々な事情で普通学級に在籍していたから。
 怪獣の場合、特殊学級に在籍するほど重くないけれど、普通学級ではついていけない。
システムの隙間に落ち込んでしまった感じで、適切な指導が受けられない状態でした。 

 「学校(行政)が面倒見てくれないなら、自分で方法を探すしかない。」
と、思い、親子留学することにしました。
(「なんで、突然、留学に話がいくんだ~」ですが…
(^-^;
過去の記事「留学のきっかけ」「留学のきっかけ2」に、いきさつが書いてあるのですが、今日の記事の内容と特に密接な関係があるわけではないので、興味があれば参考程度に読んでみてください。)

 日本の特別支援についてよく知らないので、思い違いもあるかもしれないけれど、
 怪獣が通っていたアメリカの学校と日本の学校のシステムで、大きく違うなぁと思った点は2つ。

 ひとつは、日本のような特別支援学校や特別支援学級がないこと。

 重度の障害児のための特別な学校はあるのだけれど、重度の子でも普通の公立学校に通っているケースもあるし、日本の様に区別がはっきりしていません。

 日本の特別支援学級のようなものもなく、小学校は基本的には普通の学級にいて、IEPで決められた時間だけスペシャル・エデュケーションの教室に通級という形です。
教室にはテューター(補助)がいて、障害の度合いによって専任の形でつく場合と、クラス全体のヘルプの形でつく場合があります。
怪獣の場合は、英語でコミュニケーションが出来るようになるまでの最初の2年間は専任のテューターがつきましたが、それ以降はクラス全体のテューターでした。)
 
 ミドルスクール(中学校)以上になると、教科ごとの習熟度別のクラスになります。
身体障害のない身辺自立の出来ている発達障害の子はほとんど、遅れている教科のみがIEPや助けが必要な子のクラス、その他の教科は普通のクラスや(場合によっては)アドバンスのクラスに時間割が組まれます。
怪獣は、英語がIEPの子の多いクラス、数学は一般のクラス、その他の教科は一般のクラスだけれど教師が2人(1人が教えて1人は補助)のクラスです。)

 ふたつめは、高校まで義務教育で高校受験がないこと。

 高校受験がなかったことは、怪獣ばかりでなくにとってもメリットでした。
の場合はオープンエンロールメントの大学に出願したので、大学受験も経験せずに大学生になってしまった。)
 はアメリカの中学に1年通っただけで英語力が低い状態での高校進学だったので、日本の様に高校受験があったら、どこの高校にもいけなかったと思います。
 怪獣は小学校~中学校とIEPを受けてきて、高校に進級する前にIEPを受ける資格があるかどうかのテストはありましたが、中学までのIEPを高校に引き継ぎました。
 中学校と高校と連絡がしっかりされているので、煩雑な手続きや話し合い等なしで一貫したIEPを受けられるので、親も子もストレスが少なくて済んだのは大きなメリットでした。

 その他にも、学校に行かずに自宅で学習するホーム・スクールの制度など、アメリカの義務教育は柔軟性があって融通が利くので、怪獣のような発達障害を持っている子にとっては負担が少ない仕組みだと思います。

4 件のコメント:

  1. 少し発達のよくない子供の教育や学校の在り方はアメリカは最先端を取ってる気がしますね。真に子供のためにあるとで
    日本みたいにただ外国を真似てる・表面だけのものとは大違いでもっと見習わなきゃいけないと思う!!
    子供を大事にする国はいい国です!

    投稿: てるひこ | 2012年11月26日 (月) 05時26分

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    1. >てるひこさん

      アメリカは自治体によっては「教育税」があるところもあります。
      教育税は、文字通り地域に住んでいる子どもの学校などの教育に使うもので、子どもがいない家庭からも徴収されます。

      投稿: yuuki | 2012年11月27日 (火) 03時57分

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  2. 日本の場合は何かにつけて区分したがるですよね。
    多民族国家と島国の違いでしょうが、
    日本ももっと子供の可能性を引き出す環境を取り入れていくべきなんだろうな。

    投稿: takumi | 2012年11月27日 (火) 00時25分

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    1. >takumiさん

      日本の教育は「全ての子どもに平等な教育内容を」という考え方で、
      アメリカの特殊教育は「全ての子どもに平等な機会を」という考え方なので、
      もともとの理念の違いが教育のシステムの違いになってくるのだと思います。

      投稿: yuuki | 2012年11月27日 (火) 04時04分

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