後日談の後日談:
IEPもどきについては、前回の記事で終わる予定だったのだけれど、今回は、なぜ折角の「IEPもどき」を2年で見切りをつけて、留学を決心したのかを書くことにします。
IEPもどき(ボランティアのヘルパーさんをつけてもらうこと+学期の終わり毎の反省会)のヘルパーさんは週に2~3日、1回2時間~3時間来てもらっていました。
IEPもどきが始まった頃は、怪獣もまだ1年生で、学習の内容も難しくなく、週に4~9時間くらいの補助で学校生活にうまく馴染んでいました。
小学校2年の時は、ヘルパーさんは途中で変わったものの、担任は持ち上がりで環境の変化も少なく、IEPもどきは効果をあげていました。
小学校3年に進級した時に、担任が変わり、学習内容も難しくなって、IEPもどきの内容の調整や変更が必要になって来ました。
ヘルパーさんを派遣してもらっているボランティア人材センターに、時間数を増やしてもらえるかどうか相談したのですが、一人のヘルパーさんを長時間拘束するのはヘルパーさんの負担が大きすぎるし、人数を増やそうにもボランティアをしてくれる人の数が足りない状態で、現状維持が精一杯とのことでした。
その上に、新しく変わった担任から「学校生活に支障が出ているので、特殊学級への移籍を考えてはどうか」と提案がありました。
担任の要請で、教育委員会の職員が(ヘルパーのついていない時に)怪獣の授業の様子を視察に行ったみたいで、教育委員会から呼び出しがかかりました。
教育委員会の職員いわく、
「お宅のお子さんの学校での生活の様子を見せていただいたのですが、授業中は折り紙や絵を描いているだけで、授業を全く聞いていない。
担任の指示も理解していないようで、ここまでハンディの重いお子さんが普通学級に在籍するのは無理があるので、特殊学級が適当かと…」
ハァ~?(`△´+) ナンダト!!
今更何言ってるんだ~?
怪獣が入学した頃に特殊学級に在籍していた車椅子の生徒は、前の年度に卒業して空きが出ていた。
入学の時は普通学級を薦めてきて、補助が必要だと相談に行った時は普通学級に在籍していることを理由に断ったくせに、3年になって特殊学級に空きが出たので、今度は特殊学級に移るように圧力をかけてくる。
自分たちの都合ばっかりで、子供の状態を全く考えてくれていない教育委員会に失望した。
また、環境が変わって一時的に不安定になっていて、今まで出来たことが出来なくなっている怪獣を理解してサポートしてくれるのではなくて、特殊学級に移籍させてしまおうとした担任の態度にも不信感をおぼえました。
他にも、保護者会で授業参観に参加した時に、怪獣は部外者扱いで授業に参加するチャンスが与えられていなかったこと。
PTAの役員の活動で学校に行ったときなどに、授業の様子を覗いた時も、自分から発言の出来ない怪獣は担任から無視されて空気のように扱われる姿を見て胸が痛みました。
それまで学校や教育委員会と交渉して、怪獣が適切な教育を受けられるように親として手を尽くしてきたけれど、日本の教育制度の中で発達障害を抱えた怪獣に教育を受けさせることに限界を感じました。
「怪獣を教える方法を知るために、アメリカに行ってIEPを学びたい」
という、思いが強くなってきたのもこの頃で、アメリカに母子留学を決意して準備をすることにしました。
留学の決意と準備の様子は、留学のきっかけ2、留学のきっかけ3、留学のきっかけ4、ビザ取得に書いてあるので、興味のある方はどうぞ…
追記:留学準備について
この記事の流れだと、一学期の初めに教育委員会との話があって、留学の準備を始めて、夏休みには留学できたと誤解されそうなので、留学準備について少し書いておきたいと思います。
IEPを学ぶために留学することを決めたのは、怪獣が小学2年の1月でした。
留学の情報を集めたり、どのような形で留学するか(単身か母子のみか家族全員か)などを決めたり、英会話の練習のために(駅前でチラシを配っている教会が提供している)無料英会話などに通いはじめました。(留学準備スタート)
3月頃には、留学希望の学校も決めていて資料を取り寄せたりしていました。
怪獣が3年生に上がる前には、集めた情報や取り寄せた資料も揃い、後は応募するだけという状態になっていました。
3年に進級してすぐ問題が起こり始め、問題の解決方法を模索する傍らで、学年の途中での留学も視野に入れて、アメリカの大学付属の語学学校に願書を提出(郵送)。
5月末に秋からのプログラムに入学許可の書類が届きました。
それからは、ビザ取得の記事で書いたように、インターネットでビザ申請について調べまくり、6月末にビザを取得。
(その間、夫は2、3年後にはアメリカ転勤を条件に採用してくれる会社を見つけて転職を決め、私たちが留学を始めたと同時に新しい職場で働き始めました。)
7月中に子供たちの学校の手続きを終えて、8月中旬に渡米しました。
進級後の問題のおかげで留学の時期が予定よりも早まったのは事実だけれど、我が家の場合はそれまでの留学の準備の下地があったので、なんとかアメリカの新学期に間に合わすことが出来ました。
業者に頼らずに自分で手配する留学は、思い立ったらすぐ留学できるほど簡単ではないです。けれども、(私の場合は)自分で手続きしたり情報を集めたりしたことが、留学後にとても役に立ちました。
IEPに関する ブログ
返信削除すべて 読ませて頂きました。
すごい勇気と行動力に感心するばかりです。
米国では、障害と認定を受けた子どもに対して、
一定期間に個別教育計画を作成し、
特別な教育を開始することが
法的に義務づけられている・・・と
日本との格差を実感させられました。
こういう事に関して 知識は全然
ありませんでした
考えさせられました。
怪獣君 YUUKIさんの息子さんで
幸せですね^^
何か まとまりのない とんちんかんな文章で
ごめんなさいm(._.)m
投稿: あんまんじゃ~ん | 2013年7月30日 (火) 12時19分
>あまんじゃ~んさん
削除つたない記事を読んで下さって、コメントまでいただいてありがとうございます。
アメリカのIEPの歴史は40年以上、それに比べて日本のIEPは2007年に導入されたばかりなので、手探りの状態なのは仕方がないと思います。
でも、学齢の子を育てていると、日本のIEPがアメリカ並みに成熟するのを待ってられないんですよね。
投稿: yuuki | 2013年8月 1日 (木) 03時36分
そういう訳だったのですね!
返信削除実は昨日までの記事を読んだ後で・・・あれ?
ハッピーエンドなのに、なぜアメリカにΣ(・ω・ノ)ノ!?
と思っていたところでした・・・
新しく変わった担任が役目を放棄したというかんじですね
私も去年、担任のやる気と能力次第なのだと気づきました。
去年の先生は、授業中おとなしくなると思ってなのか
ウチの子にしばらく工作をさせていました
事あるごとに電話をかけてきては、どうしたらいいですか?
と私にきかれました。
学校で起きているようなことは、家ではあり得ませんので
きかれてもこちらもわかりません
担任のプライドがあって、通級クラスの専門家の先生に
相談していなかったのだと思います。
すみません、yuukiさんの文章で過去のことを思い出して
自分のことばかり書いてしまいましたが、
これだけがんばって成果を上げていたのに、
担任のやる気のなさと教育委員会の都合に振り回されたのでは
見切りをつけたくなる気持ちがよくわかります
残念ながら日本の教育現場は、今でもあまり変わっていないと思います
(ちなみに、今年の先生はすこぶるいい先生ですが、
一年で変わるので来年がまた心配です)
投稿: モッチーヌ。 | 2013年7月30日 (火) 22時11分
たびたび失礼します(*´v゚*)ゞ追記についてですが・・・
削除旦那さまはたまたま外資系にお勤めだったのだろうと思っていましたが
アメリカに異動できる会社を新たに探して転職されたのですね
本当に全員で怪獣くんのために全力を尽くしたのですね・・・
怪獣くんは本当に幸せですね
投稿: モッチーヌ。 | 2013年7月31日 (水) 17時31分
>モッチーヌさん
削除追記にまでコメントありがとうございます。
お返事はこちらでまとめて書かせてもらいますね~m(_ _)m
モッチーヌさんのところも色々あったのですね。
小学校は担任が(ほぼ)全教科教えるので、担任の力量でクラスの運営の仕方がガラッっと変わってきますよね。
教師にも個性があるといったらそれまでなんですけれど、教師の適性のない方も中にはいらっしゃるような気もします。
夫の転職の件ですが、転職前の職場で窓際の仕事に配置転換されたので、ネットの人材会社に履歴書を送っておいたんですよ。
そうしたら、1年くらい経ってちょうど留学の準備を始めた頃に、アメリカ転勤を条件に引き抜きの話があったので、転職しました。
なんか偶然というか、ラッキーというか…
投稿: yuuki | 2013年8月 1日 (木) 03時36分
兎角日本の教育現場は教員が如何に
返信削除子供たち皆を右へ倣えさせられるか、
なんですよね。
前例がない、これは私も言われました。
「世界に前例はいくつもある。自分達の
無知とただただ流れ作業の役所仕事で
判断するおつもりですか
ないなら作ればいいだけじゃん」
と脅して来ましたけどね。
だって本当のことだもん、言われても
仕方ないじゃんですよ。
今のところ、チビの関係はまま
上手くいっているので良いですが、
怪獣君のケースは なんとも口惜しいですよね。
投稿: 瀬津喩 | 2013年7月30日 (火) 23時11分
>瀬津喩さん
削除コメントありがとうございます。
瀬津喩さんは、交渉が上手ですね~
私たち夫婦はそこまで口がたたないので、お役所&学校関係では歯がゆい思いを沢山してきました。
説得上手な瀬津喩さんだからこそ、チビ君の学校や病院とも上手くやっていけるのでしょうね。羨ましいです。
投稿: yuuki | 2013年8月 1日 (木) 03時36分
こんばんは!
返信削除「前例がない」これは本当によく言われます。
「調整してみる」、「他校とのバランスをみて」、などなど一体誰に叱られるのかしら?とよく思います。
Yuukiさんのケースは学校都合で振り回された感じがして腹が立ちますよね。
担任は選べないのに担任の意欲や能力で対応が変わることに疑問を感じます。
結局、子供たのための学校ではなく先生達の職場である学校なのですね。
うちは普通学級にいる子供ですが、 先生や学校の発言や対応には度々がっかりします。
公立なので特に期待しているわけではありませんが、それにしても…と思う事はあります。
その他大勢の私が思うくらいなので、学校とやり取りが必要な保護者の方はもっと沢山ガッカリされる事が多いのでしょうね。
残念です…
投稿: ミナゾウ | 2013年7月31日 (水) 00時09分
>ミナゾウさん
削除こんにちは~
訪問&コメントありがとうございます。
日本は社会自体が「出る杭は打たれる」超画一化社会ですから、学校現場も同じなのは仕方ないと思います。
教育の現場って、結構ドロドロしてますよ~。
一教師が子どものことを考えて何か新しいことを始めると、周りの教師が「保護者のご機嫌とり」とか「余計なことをして私たちの仕事を増やそうとしている」とか、陰で足を引っ張るんです。
わざと問題児の多い学級に割り当てたり、孤立させたり教師同士で虐めがすごいです。
最近子どもの学校での虐めがニュースになるのを見かけますが、教える側の教師の社会が虐めだらけなんだから、子どもの虐めに対して対処できないのは仕方ないような気がします。
投稿: yuuki | 2013年8月 1日 (木) 03時36分
息抜きの話なら映画でもなんでもいつでも付き合いますよ。私も楽しいですから。
返信削除SLジャクソンのコーチカーター(チャニングテーテム特集でしたが)簡単な内容でしたが面白かったです。
投稿: ベラカバンバ | 2013年7月31日 (水) 13時53分
>ベラカバンバさん
削除コメントありがとうございます。
いつもいい映画を紹介していただいて、ありがとうございます。
「コーチ・カーター」ですね。
今度図書館に行った時に探してみます。
(「海辺の家」はまだ探せていませんが、根気良く待ってみようと思います。)
投稿: yuuki | 2013年8月 1日 (木) 03時36分
こういうことがあったのですね。私も、怪獣君はYUUKIさんの息子さんで幸せだなあと思います。。。
返信削除猫ちゃんの画像にも癒されました。記事とまったく関係ないのがおもしろいですね
投稿: 桃花 | 2013年7月30日 (火) 12時34分
>桃花さん
削除訪問&コメントありがとうございました。
日本だけでなくアメリカでも色々あったけれど、息子が学業を終えるまでアメリカに滞在できるのは、良かったと思います。
猫は我が家で飼っている猫です。
日本から連れて来ました。
今年で10歳です。
投稿: yuuki | 2013年8月 1日 (木) 03時36分